介護老人保健施設 愛生苑 様
送迎計画作成業務の効率化を目指してDRIVEBOSSを導入、施設スタッフの作業負荷を軽減し、利用者に向き合う時間もさらに確保
1919年創立の静岡鉄道では、鉄道・索道事業などに加え、地域住民のシニアライフをサポートする介護事業も展開している(シニア事業部)。その中でデイサービスを提供する しずてつケアステーション北安東は、生活リハビリに注力し、洗濯や食器洗い、調理や外出といった日常生活における動作を高齢者が維持し続けられるように機能訓練を支援している。施設の利用者は1日平均35~36名で、7名のドライバーが朝夕に送迎を行っているが、これまで生活相談員が週の半ばに翌週分の送迎計画を作成していた。しかし毎日のように変更が入り、その都度、ドライバーや介護スタッフにも相談して計画を作り直す手間が必要だった。そこでより効率的な計画作成作業を実現するために導入したのが、パナソニック カーエレクトロニクスの提供する介護事業者向け送迎計画自動作成システム「DRIVEBOSS」だ。
目次
高齢者の生活リハビリを支援する しずてつケアステーション北安東では、“日常生活 すべてがリハビリ”というコンセプトのもと、施設内に生活の場を再現して、歩行や階段の昇降運動、実際の浴槽を使った入浴練習、洗濯関連動作の練習といったプログラムを提供している。また様々なレクリエーションや食事、入浴介助も併せて提供することで、施設を実際の生活の場として過ごしてもらうための環境を整備している。
しずてつケアステーション北安東
デイサービス 管理者 兼 生活相談員
大城さと美氏
同ケアステーションでは、約120名の利用登録者を保有しており、1日当たりの定員は40名で、その約9割に相当する35~36名が毎日施設に通ってくる。営業日数は週6日で、利用者の利用頻度は平均して週2~3回、同ケアステーションでは計7台の車を使って、毎日朝夕に利用者を送迎している。
これまで同ケアステーションでは、2名いる生活相談員のうち、対応できる相談員が、毎週半ばに、翌週6日分の送迎計画を作成し、もう1名がそれを確認するという体制を敷いていた。しかし毎日のように休みの連絡や臨時で使いたいといった連絡が入り、その都度、計画を修正する手間が発生していた。当時の状況について、しずてつケアステーション北安東 デイサービス 管理者 兼 生活相談員の大城さと美氏は、次のように説明する。
「まず私たちが送迎計画を作ること自体、かなり大変な作業でした。地図を見ながら、各利用者様のご自宅をどのように回れば効率的かを考えながら送迎ルートを作成する必要があったのです」(大城氏)。
この送迎計画を作る作業には、約2~3時間が必要だったという。
「また私たちが送迎計画を作った後には、各送迎車に同乗する介護スタッフの皆さんが、ホワイトボードに各車の座席表を描いた紙を貼り、マグネットの名札を使って利用者様の配席を決めていました。例えばこの方とこの方はあまり仲が良くないので、前と後ろに離れて座っていただくなど、細かな配慮も必要です。この作業はドライバーの方にも相談しながら行うのですが、大体数十分の時間がかかっていました」(大城氏)。
こうして作った配席表は、各介護スタッフとドライバーが各々手帳などに転記して携帯していた。しかし手間をかけて作った送迎計画や配席表には、随時変更が入る。その都度、また同様の作業が発生していた。
「改善するならこの一連の業務だという思いは、ずっと抱えていました」(大城氏)。
送迎計画の作成業務が現場に多大な負荷を与えていることは、経営層も以前より把握していた。そこで大城氏の上長が、2017年の「国際福祉機器展」に足を運んで着目したのが、パナソニック カーエレクトロニクスの提供する介護事業者向け送迎計画自動作成システム「DRIVEBOSS」だった。
DRIVEBOSSは、利用者同士の関係性や車椅子の搭載可否など、利用者と送迎車各々に考慮すべき制約条件までを加味した上で、クリック1つで効率的な送迎計画を自動作成できるクラウドサービスだ。管理者側からは、オフィスのPCからインターネットと無線を経由して、各車両に搭載した通信型カーナビに利用者宅や送迎ルートの詳細地図を転送することもできる。併せて音声によるナビゲーションも提供することで、安全運転の順守にも貢献するものだ。
しずてつケアステーション北安東
デイサービス 生活相談員 主任
増田達彦氏
同ケアステーションでは、2017年9月にパナソニック カーエレクトロニクスからDRIVEBOSSの詳しいサービス説明を受け、導入を検討し始めた。その際の進め方について、しずてつケアステーション北安東 デイサービス 生活相談員 主任の増田達彦氏は次のように語る。
「DRIVEBOSSの使い勝手は、実際にPCで操作をしながら、確認していきました。それで楽になると感じた部分は、既存の介護システムから各利用者様の様々なデータを 吸い上げて、利用できることでした」(増田氏)。
現在も利用する介護システムには、各利用者の住所や施設の利用状況、介護記録などが 保存されている。
「例えば住所データをDRIVEBOSSに吸い上げれば、PC画面の地図上にはその場所を示すピンが立っていて、さらに送迎ルートを線で結んでくれています。その際には細かい条件、例えば利用者様によっては、お迎えの時間が指定されている方がいらっしゃるので、その時間を厳守するとか、送迎先のお宅での所要時間とか、そうした制約も全て吸収した上で、DRIVEBOSSが送迎計画を作ってくれるのです。パナソニック カーエレクトロニクスにDRIVEBOSSと介護システムとをデータ連携してもらったことで、私たちがいちいち地図を開く手間も一切要りません」(増田氏)。
また介護施設では、利用者に快適な利用環境を提供するために様々な配慮が求められることになる。送迎場面においては、先に触れた制約条件以外にも、車酔いの有無や、(足が悪いために)助手席指定、といった項目が挙げられる。
こうした制約条件に対応できるかどうかは、施設のサービス品質そのものにも関わる重要なポイントとなる。DRIVEBOSSでは、20項目までの制約条件を盛り込んだ上で、送迎計画を自動作成が可能だ。
「計画の変更は随時発生しますが、その時には我々が簡単な手作業で対応できます。例えば新しい利用者の方が増えた時、今までは地図を見ながら、どのルートに当てはめればいいのかを考えていたのですが、DRIVEBOSSでは、まず前週分の送迎ルートや配席表をコピーできます。そして今週計画を立てる時には、その地図上に新しい方のご自宅が他の利用者の方とは違った色のピンで、また送迎車も全て別々の色で表示されるので、新しい方のピンをマウスのドラッグ&ドロップで対象ルートに組み込めば、改めて最適な送迎ルートを提示してくれます。DRIVEBOSSを導入することで、送迎計画の作成業務は、非常に楽になると思いました」(増田氏)。
同ケアステーションでは、DRIVEBOSSを試用しながら、機能で不明な点や気になる点が出てきた時には随時パナソニック カーエレクトロニクスにも相談し、効果を検証した上で、2018年8月から実運用を開始した。
「まず私たちが送迎計画を作ること自体、かなり大変な作業でした。地図を見ながら、各利用者様のご自宅をどのように回れば効率的かを考えながら送迎ルートを作成する必要があったのです」(大城氏)。
この送迎計画を作る作業には、約2~3時間が必要だったという。
「また私たちが送迎計画を作った後には、各送迎車に同乗する介護スタッフの皆さんが、ホワイトボードに各車の座席表を描いた紙を貼り、マグネットの名札を使って利用者様の配席を決めていました。例えばこの方とこの方はあまり仲が良くないので、前と後ろに離れて座っていただくなど、細かな配慮も必要です。この作業はドライバーの方にも相談しながら行うのですが、大体数十分の時間がかかっていました」(大城氏)。
こうして作った配席表は、各介護スタッフとドライバーが各々手帳などに転記して携帯していた。しかし手間をかけて作った送迎計画や配席表には、随時変更が入る。その都度、また同様の作業が発生していた。
「改善するならこの一連の業務だという思いは、ずっと抱えていました」(大城氏)。
DRIVEBOSSの導入によって、同ケアステーションでは、送迎計画作成業務を大幅に効率化できた。さらにDRIVEBOSSは、より効率的な業務フローに移行することも可能にしたという。この点について、大城氏は次のように説明する。
「DRIVEBOSSを導入したことで、送迎計画作成業務の手間を大幅に削減できました。一方で計画の修正が毎日発生する状況は変わりません。それなら毎日、翌日分の送迎計画を作成するという業務フローのほうが、より効率的ではないか。そう考えて、今では翌日のお迎えの計画を前日の夕方に、当日のお送りの計画をその日の午前中に作成しています。これによって、計画修正作業の発生を最小現に留めることができます。こうした業務フローが実現できたのも、DRIVEBOSSを導入したからこそだと言えます」(大城氏)。
現在、送迎計画の作成にかかる時間は朝夕各々で約15分、1日合計でも約30分だ。
「劇的に楽になった感覚ですね。またにDRIVEBOSSの導入によって、介護スタッフやドライバーの皆さんの負荷も非常に減っています」(大城氏)。
例えばこれまで介護スタッフは、配席を決めるために使うホワイドボードやマグネットを準備したり、実際の配席を決めたり、送迎ルートの地図をコピーしたりといった作業に多くの時間が取られていた。
「それが今では、私たちのほうで配席まで含めた送迎計画を作り、プリントアウトして渡すことができるようになりました。以前のように、作った配席表を手帳に転記する手間も不要です。そうした作業が無くなった分、介護スタッフの皆さんさんは余裕のできた時間を、フロアの利用者様のために使うことができるようになりました。これはサービス品質の向上に直結する非常に大きな効果だと思います」(大城氏)。
またドライバーも、これまでは朝のお迎えから帰ってきた後、ホワイドボードとマグネットを使って、帰りはどの車で、どの利用者を送っていくかを決めていたが、それも今では必要なくなった。
「さらにこれまで送迎ルートの修正が必要になった場合、私たちが地図上でうまくルートを組めない時には、土地勘のある介護スタッフの方に聞くか、あるいはドライバーの方が帰ってくるのを待って相談する必要がありました。その際にはまた皆さんの時間を割くことになりますし、私たちも皆さんの手が空くまで待つ必要がありました。今ではこうした時間も無くなりました」(大城氏)。
現在、同ケアステーションでは7台ある送迎車のうち、2台にはカーナビも設置してDRIVEBOSSと連携している。今後他の車両にも順次、搭載していく予定だ。
「今はまだカーナビが付いていない車もあるので、各ドライバーの方には一律で送迎ルートの地図をコピーしてお渡ししていますが、今後DRIVEBOSSとカーナビとの連携が運用に載れば、送迎ルートをナビ画面上に送信することも可能になります。地図をコピーして渡すという作業も基本的には要らなくなります」(大城氏)。
今後、同ケアステーションでは、現在大城氏と増田氏の2人だけで担当している送迎計画の作成業務を、他のスタッフでも行うことができるようにしていきたい考えだ。
「今までのように地図を見ながら送迎計画を作成するというやり方は、まず計画作成者が“基本的な道を知っていること”が必須でした。その上で細かな道をドライバーの方などに相談していたのですが、DRIVEBOSSを使えば、前週ルートや配席表のコピーもできますし、利用者様の自宅も地図上に表示されるので、PCの操作ができる人なら、送迎計画を作る作業はできると思います。実際に施設内では、業務平準化の観点から、正社員だけでもDRIVEBOSSの使い方を共有できたほうがいいという話が出ているので、今後他のスタッフにも操作方法を伝授していきたいと思います」(大城氏)。
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