荷主の定義・分類から最新の責任・課題・対策まで解説

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荷主の定義・分類から最新の責任・課題・対策まで解説

荷主の定義・分類から最新の責任・課題・対策まで解説

  • 荷主は単なる依頼主でなく、物流全体の効率・安全・持続可能性に影響を与え、法的責任も拡大している。
  • 2024年問題、ドライバー不足、コスト高騰、DXの遅れなど、物流課題は荷主の事業運営に直結する。
  • 課題解決には業務最適化、パートナーシップ強化、そしてテクノロジー活用が鍵となる。

※本記事は2025年5月20日時点の情報を元にして作成されています。

「荷主(にぬし)」という言葉は、物流業界において日常的に使われる基本的な用語です。
しかし、一見単純に見えるこの言葉の背後には、複雑な物流の仕組みにおける多岐にわたる意味合いと、ますます重要性を増す役割が隠されています。

本記事では「荷主」の基本的な定義から始まり、法的な分類、現代における荷主の責任、直面する主要な課題、そしてそれらの課題を克服するための戦略、特にパナソニック カーエレクトロニクスのサービス『DRIVEBOSS』のようなテクノロジー活用による解決策に至るまで、詳細に解説します。



1.近年の物流における「荷主」の重要性と複雑性

荷主とは単に「荷物の持ち主」や「輸送の依頼主」を指すだけでなく、その活動が物流全体の効率性、コスト、コンプライアンス、さらには持続可能性にまで影響を及ぼす存在となっています。特に近年、省エネルギー法(省エネ法)をはじめとする法改正や、eコマースの拡大、ドライバー不足といった業界全体の構造変化により、「荷主」の定義や責任範囲はより複雑化しています。物流関連企業において、日々のオペレーション改善や将来的なシステム導入を検討するにあたり、この「荷主」という役割を正確に理解することは、自社の物流戦略を最適化し、業界が直面する課題に対応していく上で不可欠です。



2.「荷主」の定義とその重要性とは

「荷主」という言葉は、使われる文脈によってその意味合いが異なります。日々の業務における理解と、法律や規制に基づく厳密な定義を区別して把握することが重要です。

日々の物流業務オペレーションにおける荷主とは?

物流の現場で一般的に「荷主」という場合、それは物流会社にとっての「顧客」であり、輸送や保管といった物流業務を依頼する主体を指します。
具体的には、自社の商品や製品の輸送・保管を物流事業者に委託する製造業、流通業、卸・小売業、商社などがこれに該当します。個人が荷物を送る場合も、その個人が荷主となります。

さらに、荷主は荷物の流れにおける役割によって区別されることがあります。荷物を送り出す側を「発荷主(はつにぬし)」、荷物を受け取る側を「着荷主(ちゃくにぬし)」と呼びます。

物流業務においては、伝統的に運賃などを支払う「発荷主」が「荷主」として主に認識されてきました。
しかし、近年ではサプライチェーン全体の最適化や顧客満足度向上の観点から、単に発荷主の要望に応えるだけでなく、最終的な商品の受け取り手である着荷主のニーズ(例:正確な配達時間、受け取り方法の多様化など)を重視する傾向が強まっています。

責任範囲の明示化のため、法的に厳密な定義が定められている

法律、特に省エネ法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)や、物流の効率化を目的とした改正物流総合効率化法(流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律)などにおいては、「荷主」の定義がより厳密に定められています。これらの法律における定義を理解することは、コンプライアンス遵守の観点から極めて重要です。

特に注目すべきは、省エネ法の改正に伴う荷主の定義の変更です。
従来、荷主は主に貨物の所有者を指すと考えられてきましたが、改正法では、貨物の所有権の有無にかかわらず、「貨物の輸送の方法等を実質的に決定している事業者」が荷主と定義されるようになりました。

この定義変更の背景には、インターネット通販市場の急拡大に伴う小口配送や再配達の増加があります。
これによりエネルギー消費量が増大したため、従来は対象外と見なされがちだった大手ネット小売事業者なども、輸送事業者と直接契約していなくても、サプライヤー等に対して輸送方法(例:配送リードタイム、梱包仕様など)を実質的に指示している場合には、荷主として省エネ法の規制対象に含まれることになりました。

これにより、国はこれらの事業者に対しても省エネへの協力を要請し、包装材の軽量化や小型化といった具体的な取り組みを促すことが可能になりました。

この法改正は、直接的な輸送契約者だけでなく、物流オペレーションに対して実質的な影響力を持つ主体も、エネルギー効率化や環境負荷低減といった社会全体の目標達成に向けて責任を分担すべきである、という政策的な意図が込められていると言えます。

参考:第一種荷主(主に発荷主)、第二種荷主(主に着荷主)とは | すべての荷主の対応 | 「物流効率化法」理解促進ポータルサイト
参考:荷主とは | 輸送の省エネ法規制 | 事業者向け省エネ関連情報 | 省エネポータルサイト



主要な法的分類をもとに自社の役割と義務を理解することが重要

省エネ法や物流総合効率化法などの関連法規では、荷主をさらに細かく分類し、それぞれの役割や義務を定めています。自社がいずれの分類に該当するか、あるいは取引先が該当するかを理解することは、適切な対応をとる上で不可欠です。

一号荷主(省エネ法)/ 第一種荷主(物流総合効率化法)

・定義:自らの事業に関して、貨物輸送事業者(運送会社や利用運送事業者)と継続的に運送契約を締結し、貨物の輸送を委託する者。

・役割:一般的には「発荷主」が該当しますが、部品メーカーなどを巡回して部品を集荷する「引取物流」のように、着荷主側が運送契約を締結している場合は、その着荷主が該当します。ただし、他の事業者(例:元請けの運送会社や大手小売業者)によって輸送方法が実質的に決定されている場合は、契約者であっても一号荷主(第一種荷主)とはみなされない場合があります。

・義務:省エネ法や物流総合効率化法に基づき、輸送におけるエネルギー使用量の削減や物流効率化に向けた努力義務が課せられます。


二号荷主(省エネ法)

・定義:自らは貨物輸送事業者と直接契約を結んでいないものの、他の事業者が契約している貨物輸送について、契約や取り決めによって輸送方法等を実質的に決定している者。

・役割:輸送の実態に影響力を持つ事業者が規制対象となり、大手小売業者が納入業者に対して配送条件を指定する場合などが典型例です。

・義務:一号荷主と同様に、省エネ法に基づく努力義務の対象となります。


第二種荷主(物流総合効率化法)

・定義:自らの事業に関して、他の事業者(主に発荷主)が運送契約を締結している貨物について、トラックドライバーから貨物を受け取る者、または引き渡す者。

・役割:主に「着荷主」が該当します。貨物を受け取る立場ですが、納品日時や場所などを具体的に指示するなど、輸送計画に影響を与える場合があります。

・義務:物流総合効率化法に基づき、物流効率化への努力義務が課せられます。


準荷主(省エネ法)

・定義:自らの事業において、継続的に貨物輸送事業者から貨物を受け取り、または引き渡す者であり、その受け取り・引き渡しの日時や場所などについて指示できる者。

・役割:輸送方法全体を決定するわけではないものの、最終的な配送実行(例:具体的な納品時間の指定)に関与する立場を指します。

・義務:一号荷主、二合荷主と同様に、省エネ法に基づく努力義務の対象となります。


特定荷主(省エネ法)

・定義:年間の貨物輸送量が3,000万トンキロ以上の大口の一号荷主、二号荷主。

・義務:通常の努力義務に加え、より具体的な義務が課せられます。具体的には、「貨物の輸送に関する届出書の提出」、「エネルギー消費削減に関する中長期計画の作成」、および「定期的なエネルギー使用状況等の報告」が義務付けられています。


特定第一種/第二種荷主(物流総合効率化法)

・定義:年間の貨物輸送量が9万トン以上の第一種荷主または第二種荷主。

・義務:特定荷主(省エネ法)と同様に、「物流効率化に関する中長期計画の作成」および「定期的な実施状況の報告」が義務付けられています。


分類 定義 主な関連法規 主要な義務・役割 代表例 
一号荷主 輸送事業者との継続的な運送契約 省エネ法  省エネ努力義務  発荷主(自ら運送契約)、引取物流における着荷主
二号荷主 他者の運送契約における輸送方法等の実質的な決定 省エネ法  省エネ努力義務  大手小売業者(納入業者への指示)、元請運送会社(下請けへの指示)
準荷主 貨物の受取・引渡しの日時・場所等の指示 省エネ法  省エネ努力義務  納品時間等を指定する着荷主、発荷主
特定荷主 年間輸送量3,000万トンキロ以上(一号・二号荷主から指定) 省エネ法  届出、中長期計画作成、定期報告(義務)  大規模メーカー、商社、小売業者など
第一種荷主 輸送事業者との継続的な運送契約 物流総合効率化法  物流効率化努力義務(荷待ち時間削減、積載率向上など)  発荷主(自ら運送契約)、引取物流における着荷主
第二種荷主 他者が契約した貨物の受取・引渡し 物流総合効率化法 物流効率化努力義務(荷待ち時間削減、積載率向上など) 着荷主、発荷主
特定第一種/第二種荷主 年間輸送量9万トン以上(第一種・第二種荷主から指定) 物流総合効率化法 中長期計画作成、定期報告、物流統括管理者の選任(義務) 大規模メーカー、商社、小売業者など

 

3.近年、荷主が負う責任は拡大している

かつての荷主の役割は、主に「貨物を目的地まで運んでもらう」という依頼が中心でした。しかし、法規制の強化、社会的な要請の高まり、そして物流業界を取り巻く環境の変化により、現代の荷主にはより広範な責任が求められるようになっています。

輸送依頼にとどまらず、効率性と持続可能性への影響力

前述の法的な定義からもわかるように、荷主は単に輸送を依頼するだけでなく、物流プロセス全体の効率性と持続可能性に大きな影響を与える存在として認識されるようになっています。荷主が行う発注のタイミング、荷量の平準化、荷待ち時間の削減に向けた協力、積卸し方法の改善、適切な梱包などは、トラックの運行効率、燃料消費量、CO2排出量に直接影響します。したがって、荷主には自社の都合だけでなく、物流パートナーである運送事業者のオペレーション効率や環境負荷までを考慮した行動が求められます。

コンプライアンスと安全への配慮といった法的・社会的義務

省エネ法や物流総合効率化法に基づく報告義務や計画策定義務(特定荷主等の場合)は、荷主が負うべき法的な責任の代表例です。
これらに加え、特に重要性が増しているのが、改正貨物自動車運送事業法(2019年7月施行)によって明確化された「荷主の配慮義務」です。

参考:報道発表資料:7月1日より、トラックドライバーの働き方改革に向けた新制度がスタートします!~改正貨物自動車運送事業法の荷主関連部分の施行~ - 国土交通省

この法律では、荷主は運送事業者が法令(特に労働時間規制など)を遵守して安全に事業を運営できるよう、必要な配慮をしなければならないと定められました。具体的には、ドライバーに過度の負担を強いるような短納期発注、長時間の荷待ち、非効率な積卸し作業などを強要しないことが求められます。背景には、深刻化するドライバー不足の中で、一人当たりの業務負担が増加し、無理な運行が事故や労働環境の悪化を招いているという問題意識があります。

この配慮義務の導入は、荷主の責任範囲が自社の貨物だけでなく、それを運ぶドライバーの安全や労働環境にまで及ぶことを法的に示したものであると考えることもできます。さらに、輸送する貨物によっては、消防法(危険物)、高圧ガス保安法、火薬類取締法、毒物及び劇物取締法など、個別の法令遵守も求められます。荷主は、自社が取り扱う貨物に関連する法規制を正確に把握し、遵守する責任があります。


4.荷主視点での物流業界の主要課題

現代の物流業界は、多くの構造的な課題に直面しています。
これらの課題は、荷主の事業運営にも直接的な影響を及ぼしており、その内容と影響を正確に理解することが、適切な対策を講じるための第一歩となります。

『2024年問題』とドライバー不足

喫緊の課題の一つが『2024年問題』とそれに伴うドライバー不足の深刻化です。2024年4月から、トラックドライバーの時間外労働時間に上限規制(原則年間960時間)が適用されます。これにより、一人のドライバーが運べる総量が減少し、業界全体の輸送能力が低下することが懸念されています。
この問題は、荷主にとって以下のような直接的な影響をもたらします。

■輸送キャパシティの減少:従来通りの物量を運べなくなる可能性がある。
■リードタイムの長期化:輸送に時間がかかるようになる。
■運送依頼の困難化:特に繁忙期などにトラックを確保しにくくなる。
■運賃の上昇圧力:輸送能力の低下と人件費上昇により、コストが増加する。

荷主にとって最大の懸念は、「自社の荷物を運んでくれるドライバーがいなくなり、結果として適切なタイミングで商品をエンドユーザーに届けられなくなるのではないか」という点に集約されます。これは事業継続そのものに関わる深刻なリスクです。

この労働時間の上限規制に関して詳しくは別ページにて解説していますので、ご参考ください。
関連記事:改善基準告示とは?2024年4月からの適用内容や、物流業界への影響と対策を解説 │ クラウド型車両管理・自動配車サービスのDRIVEBOSS


上昇するオペレーションコスト

ドライバー不足に伴う人件費上昇に加え、物流コストを押し上げる要因は他にもあります。特に、燃料価格(ガソリン、軽油)の変動と高騰は、トラック輸送を多用する日本の物流業界にとって大きな負担となっています。

さらに、環境規制対応のための車両更新、倉庫の自動化・省人化投資、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進のためのシステム導入費用なども、物流事業者のコストを増加させ、結果的に荷主が支払う運賃や保管料に転嫁される可能性があります。

これらのコスト上昇は、特に利益率の低い運送事業者にとっては経営を圧迫する要因となり、サービスの質の低下や撤退を招き、荷主にとっても安定的な物流網の確保を困難にする恐れがあります。

効率化とデジタルトランスフォーメーション(DX)への圧力

長時間労働の是正やコスト削減を実現するためには、物流現場の抜本的な効率化が不可欠です。しかし日本の物流業界では、依然としてアナログな作業や非効率な慣行(例:長時間の荷待ち、手書き伝票、電話やFAXによる連絡)が多く残存しており、DXの遅れが指摘されています。

荷主側にも発注方法のデジタル化、WMS(倉庫管理システム)やTMS(輸配送管理システム)との連携、積載率向上のための情報共有など、効率化に貢献できる領域は多く存在します。DXは単なる業務効率化による人手不足解消に留まらず、サプライチェーン全体の可視化、リードタイム短縮、リスク管理強化にも繋がるため、業界全体で推進すべき重要な取り組みです。


コンプライアンスと安全確保の徹底

前述の通り、省エネ法、物流総合効率化法、改正貨物自動車運送事業法など、荷主に関連する法規制は年々強化される傾向にあります。
これらの法令を遵守することは、法的リスクを回避するだけでなく、企業の社会的責任(CSR)やESG(環境・社会・ガバナンス)経営の観点からも重要です。

特に、ドライバーの安全確保は最優先事項であり、荷主の不適切な要求が事故を誘発するようなことがあってはなりません。コンプライアンス体制を構築し、安全を最優先する企業文化を醸成することが求められます。


これら4つの課題、すなわち『ドライバー不足』『コスト上昇』『DXの遅れ』『コンプライアンス・安全確保』は相互に密接に関連し、負のスパイラルを生み出す傾向があります。

例えば、ドライバー不足は人件費を高騰させ(コスト上昇)、残されたドライバーの負担を増大させるため、安全確保(コンプライアンス)の重要性が増します。
また、非効率なオペレーション(DXの遅れ)は、限られたドライバーの時間と燃料を浪費し、不足とコストの問題をさらに悪化させます。この複雑なつながりを理解することが、効果的な解決策を見出す鍵となります。

これらの課題が互いに影響し合っていることを認識し、個別の問題対処だけでなく、全体最適を目指した戦略的なアプローチをとる必要があります。


5.荷主が物流業界の課題に立ち向かうには

直面する課題は深刻ですが、荷主が主体的に取り組むことで、状況を改善し、持続可能な物流体制を構築することは可能です。ここでは、荷主が取るべき具体的な戦略を探ります。

物流オペレーションの最適化

まず荷主自身のコントロール下にある業務プロセスを見直し、効率化を図ることが重要です。

需要予測の精度向上

より正確な需要予測に基づき、無駄のない生産・在庫計画を立てることで、急な輸送需要の発生を抑制し、輸送量の平準化に貢献します。

倉庫内作業の効率化

WMS(倉庫管理システム)の導入や改善、ピッキングや検品プロセスの標準化、レイアウトの見直しなどを通じて、入出荷作業のリードタイムを短縮します。

荷待ち時間の削減

ドライバーの待機時間を削減するため、入出荷時間の事前予約システムの導入、バース管理の最適化、荷役作業の迅速化(例:パレット活用、荷役機器の整備)などを推進します。これは、ドライバーの労働環境改善に直結し、配慮義務の履行にも繋がります。

共同配送・輸送の効率化

納品先や方面が同じ他の荷主と連携し、共同での輸配送を行うことで、積載率の向上とコスト削減を目指します。

課題認識と条件整理

物流事業者を選定・評価する際には、まず自社が物流サービスに何を求めているのか、現状の課題は何か、どのような条件(物量、頻度、リードタイム、品質要件など)で委託したいのかを明確に整理することが重要です。現状の物流コストや業務フローを把握し、担当者へのヒアリングを行うことも有効です。

協力関係の強化と公正な取引慣行

物流事業者との良好なパートナーシップ構築は不可欠です。

パートナーとしての認識

物流事業者を単なるコスト要因ではなく、共に課題を解決するパートナーとして尊重し、長期的な視点で関係を構築します。

公正な契約と対価

契約内容を遵守し、燃料費高騰などのコスト変動要因については真摯に協議に応じ、適正な運賃・料金を設定します。契約外の作業を依頼する場合は、必ず追加料金を支払うなど、公正な取引を徹底します。

コスト以外の評価軸

物流事業者を選定する際には、提示価格だけでなく、サービスの品質、安定性、コンプライアンス体制、環境への配慮、改善提案力なども含めて総合的に評価します。具体的には、「輸配送」「保管」「包装」「荷役」「流通加工」「情報処理」といった物流機能全般について、自社の要求水準を満たしているかを見極める必要があります。

柔軟な対応と情報共有

市場環境や法規制の変化に柔軟に対応するため、物流事業者と積極的に情報を共有し、必要に応じて運用フローやルールを見直していく姿勢が重要です。


テクノロジー活用による変革(DX)

デジタルトランスフォーメーション(DX)は、物流業界が抱える多くの課題を解決するための鍵となります。荷主としても、テクノロジーの活用を積極的に検討・推進すべきです。

可視性の向上

GPSや車両管理システムを活用し、輸送中の貨物の位置情報をリアルタイムで把握することで、到着時間の予測精度を高め、遅延時の迅速な対応を可能にします。

業務の自動化・効率化

受発注システム(EDI)、WMS、TMSなどを導入・連携させることで、手作業による入力ミスや情報伝達の遅れをなくし、業務プロセス全体を効率化します。

データに基づいた意思決定

蓄積された物流データを分析し、輸送ルートの最適化、コスト削減、サービス改善に繋げるためのインサイトを得ます。

コミュニケーションの円滑化

デジタルプラットフォームを活用し、物流事業者との情報共有や連絡を迅速かつ正確に行います。


これらのテクノロジー導入は、単に自社の効率を上げるだけでなく、物流事業者との連携を強化し、サプライチェーン全体の最適化に貢献します。



6.『DRIVEBOSS(ドライブボス)』による荷主の課題解決

これまでの課題と戦略を踏まえた上で、具体的なテクノロジーソリューションとして、パナソニック カーエレクトロニクスが提供する『DRIVEBOSS』は、車両の運行管理やドライバーの安全運転支援、業務効率化を目的とした総合的な車両管理・運行支援サービスであり、荷主が直面する課題解決にも大きく貢献する可能性を秘めています。
『DRIVEBOSS』の導入は主に物流事業者が主体となりますが、その機能と効果は、荷主にとっても以下のようなメリットをもたらします。

ドライバー不足と安全確保

危険運転(急加速、急ブレーキ、速度超過など)の検知・警告機能、運行管理データなどを通じて、ドライバーの安全運転意識を向上させ、事故リスクを低減します。これにより荷主が負う安全配慮義務の履行を間接的に支援します。

コスト上昇対策と効率化

走行データを活用した最適な輸送ルートの提案、燃費データの収集・分析機能などを提供します。これにより無駄な燃料消費を抑制し、運行効率を高めることができます。これは省エネ法が求めるエネルギー効率改善にも貢献します。

DX推進

車両の現在位置や走行状況をリアルタイムで把握できるため、荷主はより正確な到着予測時間を把握でき、荷受け準備や顧客への情報提供をスムーズに行えます。また、運行日報の自動作成機能はドライバーや運行管理者の事務作業を大幅に削減し、DX推進の一助となります。収集されたデータは、さらなる業務改善のための分析にも活用できます。

コンプライアンス管理

運転時間や休憩時間などの運行管理データを記録する機能を提供し、労働時間規制などのコンプライアンス遵守をサポートします。安全指導としても活用でき、企業のコンプライアンス体制強化に繋がります。特定荷主が求められる輸送実績の把握にも役立つ可能性があります。


DRIVEBOSSを導入している事業者と連携すること、あるいは自社で導入を検討することは、単に物流コストを管理するだけでなく、輸送の信頼性向上、コンプライアンスリスクの低減、そして持続可能なパートナーシップの構築に繋がる戦略的な選択肢となり得ます。


7.『DRIVEBOSS(ドライブボス)』による課題解決の実例

実際に『DRIVEBOSS(ドライブボス)』を導入いただき課題解決につながった事例をご紹介します。

株式会社丸井スズキ 様:交通事故ゼロとコスト削減を実現

営業担当者の安全運転促進や事故削減が課題解決を目的に導入いただきました。急ブレーキ・急加速時にドライバーへ即時に警告する機能を活用し、安全運転を担保することができ、導入後1年間で交通事故ゼロを達成、年間の自動車保険料も約2割削減へとつながりました。
さらに車両稼働状況を可視化したことにより、車両台数を3台削減し、カーシェアリングも実現しています。

詳しくは以下のページをご覧ください。
株式会社丸井スズキ 様 │ 【商社】運行管理で安全運転を支援 DRIVEBOSS | Panasonic


株式会社マツナガ 様:効率的な配送指示と危険運転発生回数の大幅削減

顧客急増に伴う効率的な配送体制の構築や繁忙期への対応の課題解決を目的に導入いただきました。メッセージ機能による配送指示、ナビ画面上の地図と音声ガイダンスを活用して配送業務を効率化、また、運転状況の可視化による個別指導を実施し、効率的なスポット配送指示とストレスのない配送環境を実現できました。
その結果、危険運転の発生回数も約10分の1に大幅に低減しています。

詳しくは以下のページをご覧ください。
株式会社マツナガ 様 │ 【配送】運行管理で運転状況の見える化 DRIVEBOSS | Panasonic


日産部品九州販売株式会社 様:活動内容の可視化と日報作成時間短縮

訪問営業における日報作成にかかる手間や信ぴょう性に対する課題解決を目的に導入いただきました。「業務見える化テレマティクス」機能を導入、これにより、営業担当者の車両位置・移動状況・訪問履歴をリアルタイムに把握することで業務状況を可視化し、正確な活動内容が把握できるようになり、日報の作成時間短縮も実現できました。

詳しくは以下のページをご覧ください。
日産部品九州販売株式会社 様 │ 日報作成で活動の可視化が可能に テレマティクスのドライブボス


8.まとめ:より効率的で持続可能、かつ強靭な未来への荷主と物流事業者のパートナーシップ

「荷主」は今や、単なる貨物所有者を超え、物流の効率性、安全性、環境持続可能性に深く関与しています。
省エネ法や改正貨物自動車運送事業法は荷主にエネルギー効率向上やドライバー安全への責任を課し、ドライバー不足やDXの遅れなどの課題は荷主の事業継続にも影響します。

これらの課題解決には、荷主自身がオペレーションを効率化し、物流事業者をパートナーとして尊重し、テクノロジーを活用することが鍵となります。パナソニック カーエレクトロニクスの『DRIVEBOSS』のような配車システムは、効率化、安全性向上、コンプライアンス遵守に対応できる有効なツールであり、荷主がこうしたテクノロジーを活用することは持続可能な物流への賢明な投資です。

この機会にぜひ『DRIVEBOSS(ドライブボス)』の詳細をご確認いただき、自社の物流オペレーションへの導入をご検討いただくことをお勧めします。
気になることがございましたら、お気軽にお問い合わせください。専門スタッフがご対応いたします。

 

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