デイサービス経営が厳しいのはなぜ?約半数が赤字の時代を生き抜く経営戦略

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デイサービス経営が厳しいのはなぜ?約半数が赤字の時代を生き抜く経営戦略

デイサービス経営が厳しいのはなぜ?約半数が赤字の時代を生き抜く経営戦略

  • 人手不足・物価高騰・競争激化で倒産件数は過去最多を更新、約半数が赤字に
  • 送迎業務が業務時間の約3割を占め、管理者が本来業務に集中できない現状
  • 送迎DXで計画作成を大幅に短縮し、経営改善のための時間の創出を

※本記事は2026年1月16日時点の情報を元にして作成されています。

通所介護(デイサービス)業界では、介護事業者の倒産件数が年々増加し、2024年には過去最多を更新しました。背景には、2020年以降のコロナ禍による利用控えと経営悪化、そして近年の物価高騰と大手事業者との競争激化があります。複数の構造的課題が重なり、特に小規模事業所の経営環境は厳しさを増しています。

本記事では、赤字事業所が約半数を占める現状をデータで読み解きながら、経営を圧迫する要因と、業務効率化による改善策をお伝えします。



1.統計データが示す、デイサービス経営が厳しい現実と2025年以降の課題

なぜ今、これほどまでにデイサービスの経営は困難を極めているのでしょうか。
まずは客観的な統計データをもとに、赤字事業所の割合や倒産件数の推移を確認し、人手不足・報酬改定・物価高騰といった経営を圧迫する要因を整理します。

事業所の約半数が赤字という衝撃的な実態

「経営が苦しいのはうちだけではないか」と不安を感じる経営者は少なくありません。しかしデータを見ると、これは業界全体の構造不況であることがわかります。

WAM NETの調査によると、通所介護事業所の赤字割合は年々悪化しています。2020年度は41.9%だった赤字事業所の割合が、2021年度には46.5%、2022年度には49.6%に達しました。わずか2年で約8ポイントも悪化し、いまや2軒に1軒が赤字という状況です。

参考:2022 年度 通所介護の経営状況について|WAM Reserch Report

収支差率(税引き前)を見ても、2022年度決算で1.5%程度にとどまり、全介護サービスの平均を下回っています。地域密着型通所介護でも3.6%と、決して余裕のある数字ではありません。

参考:令和5年度介護事業経営実態調査結果の概要|厚生労働省

さらに、東京商工リサーチのデータによれば、2024年度介護事業者倒産件数は179件と過去最多を更新しました。業態別に見ると、訪問介護が86件で過去最多、通所・短期入所介護は55件で過去2番目の多さとなっています。特に小規模な事業所の淘汰が進んでおり、資金力のない施設から市場退場を余儀なくされています。

参考:2024年度「介護事業者」倒産 最多の179件 前年度から3割増、報酬改定の「訪問介護」が半数 | TSRデータインサイト | 東京商工リサーチ

これらのデータからは、「良いケアをしていれば利用者は集まる」という従来の経営モデルが通用しなくなり、緻密な収益管理が求められる時代に入ったことという実情が見えてきます。


2024年報酬改定と事務負担増による収益圧迫

2024年度の介護報酬改定も、経営の難易度を上げる要因となりました。基本報酬の見直しに加え、科学的介護推進体制加算や個別機能訓練加算(Ⅱ)などの上位区分の加算では、LIFE(科学的介護情報システム)へのデータ提出が算定要件となっています。
多職種連携による計画書作成など、より高度なマネジメント体制の構築が求められるようになりました。

参考:科学的介護情報システム(LIFE)関連加算に関する基本的な考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について|厚生労働省

たとえば入浴介助加算(Ⅱ)では、医師等が利用者の居宅を訪問し、浴室環境を評価・計画作成することが要件です。現場職員はケアの記録に加え、加算取得のための膨大な書類作成に追われています。

利用者単価の推移を見ても、状況の厳しさがわかります。2020年度に9,412円だった利用者1人1日あたりのサービス活動収益は、2021年度には9,221円と192円も低下しました。

参考:2021 年度(令和 3 年度)通所介護の経営状況について|WAM Research Report

これには、一部加算の算定要件変更や、コロナ対応の特例措置廃止が影響しています。「加算を取りたいが、書類を作る時間がない」というジレンマが多くの現場で発生しており、その結果、客単価を上げられず、物価高騰によるコスト増を吸収できない悪循環に陥っています。

コロナ禍と物価高騰がもたらした追加負担

近年の経営悪化には、コロナ禍と物価高騰という2つの外的要因も大きく影響しています。コロナ禍では、多くの高齢者が外出を控えるようになり、デイサービスの利用者が減少しました。感染への不安から利用を中止するケースが相次ぎ、稼働率が大幅に低下した事業所も少なくありません。
さらに、感染対策として消毒や換気設備への投資、スタッフへの研修など、運営コストが増加しました。心理的な影響もあり、利用者数の回復には時間がかかっています。

物価高騰の影響も深刻です。デイサービスでは入浴サービスや食事を提供することが多く、電気料金、ガス料金、食材や消耗品の価格上昇が経費を押し上げています。
しかし、介護報酬は国が単価を定めているため、一般企業のように価格転嫁することができません。収入は固定されたまま支出だけが増える構造が、経営を圧迫し続けています。


2.デイサービス経営が厳しい要因と収益改善の余地

外部環境の厳しさは変えられませんが、内部の収益構造は経営者の決断で改善できます。ここでは、経営を左右する「人件費率」と「稼働率」、そして収益向上の鍵となる「加算算定」について解説します。


損益分岐点を左右する人件費率60%の壁

厚生労働省「令和5年度介護事業経営実態調査」によると、通所介護の人件費率は平均63.8%です。

参考:令和5年度介護事業経営実態調査結果の概要|厚生労働省

一方、業界では黒字事業所の人件費率は60%前後で推移しているといわれており、この水準を超えると収益確保が難しくなる傾向があります。
経営の安定には「稼働率」も重要な指標です。WAM(福祉医療機構)の調査によると、黒字事業所の稼働率は約70%であるのに対し、赤字事業所は約61%と10ポイント近く低い水準にとどまっています。

参考:平成 29 年度 通所介護事業所の経営状況について|WAM Research Report

損益分岐点は「固定費 ÷(1 − 変動費率)」で算出できます。固定費には人件費や家賃、車両費などが含まれ、変動費には材料費や消耗品費などが該当します。自施設の損益分岐点を把握し、それを上回る稼働率を維持することが黒字経営の基本です。

また、「労働生産性」という視点も欠かせません。労働生産性とは、従業員1人あたりがどれだけの付加価値を生み出しているかを示す指標です。同じ売上であれば、従業員が多いほど労働生産性は低くなります。

人手不足が深刻な昨今では、稼働率を上げたくても「職員が足りなくて受け入れられない」という事態が頻発しています。
採用難で人件費が高騰する中、従業員1人あたりの労働生産性を最大化し、少ない人数でも高い稼働率を維持できる体制づくりが、黒字化への確実な道です。


加算算定の取りこぼしによる収益機会の損失

デイサービスの介護報酬は、基本報酬に各種加算を上乗せする構造になっています。加算を適切に算定できれば利用者1人あたりの単価が向上しますが、算定要件を満たす体制が整っていない事業所では、本来得られるはずの収益を取りこぼしていることになります。

デイサービスで算定できる主な加算には以下のようなものがあります。

個別機能訓練加算

機能訓練指導員を配置し、利用者ごとの機能訓練を実施した場合に算定できます。

口腔機能向上加算

口腔機能の改善を目的としたサービスを提供した場合に算定できます。

栄養改善加算

栄養状態の改善が必要な利用者への栄養改善サービスが対象です。

中重度ケア体制加算

中重度の要介護者を受け入れる体制を整えた事業所が算定できます。

ADL維持等加算

利用者のADL(日常生活動作)の維持・改善に取り組んだ場合に算定できます。

科学的介護推進体制加算

LIFEを活用して科学的根拠に基づく介護を推進した場合に算定されます。

介護職員処遇改善加算

介護職員の処遇改善に取り組む事業所に対して算定される加算で、職員の賃金アップに直結するため算定は必須といえます。


各加算の単位数や算定要件は改定により変更されることがあるため、厚生労働省の最新情報をご確認ください。

参考:令和6年度介護報酬改定について|厚生労働省

加算を算定するには、人員配置や体制構築にコストがかかる場合もあります。しかし、加算による収益増と必要コストを比較し、収支にプラスの影響がある加算は積極的に取得すべきです。
そのためにも、管理者が加算算定の業務に時間を割ける環境づくりが重要になります。

 

 

3.業務効率化の鍵を握る「送迎業務」の改善

人件費率の改善や加算算定に取り組むためには、管理者が本来の業務に集中できる時間を確保する必要があります。その観点から見逃せないのが「送迎業務」の効率化です。

業務時間の3割を占める送迎関連業務

経済産業省の調査によると、介護職員の業務時間の約3割(28.3%)が送迎関連業務で占められています。

参考:将来の介護需要に即した介護サービス提供に関する研究会|経済産業省

送迎計画の作成には、毎日長時間を費やし、利用者同士の相性や車椅子の有無を考慮しながらパズルのようにルートを組む必要があります。運転と添乗においては、渋滞による遅延リスクや事故への不安という精神的ストレスも伴います。

この送迎計画作成という業務は、ベテラン管理者の経験と勘に頼る属人的なものになりがちです。管理者が送迎計画作成に時間を取られることで、本来行うべき営業活動や加算算定業務がおろそかになります。

管理者の時間創出が経営改善の出発点

管理者の本来の役割は多岐にわたります。マネジメント面では従業員の採用・教育・人員配置を担い、マーケティング面では利用者数やリピート率の管理を行います。さらに、3年に1度の運営指導(実地指導)に備えた行政書類の管理も欠かせません。

しかし、人手不足が深刻化する中、多くの事業所では管理者自身が送迎計画の作成や現場業務に追われています。その結果、人材育成や施設経営といった本来管理者に求められる業務が手薄になり、経営悪化の一因となっています。

管理者が育っていない、あるいは管理者が日々の業務に忙殺されている事業所では、収益改善の施策を打つ余裕すらありません。

送迎業務の効率化は、管理者の時間を創出し、営業活動や加算算定といった収益向上に直結する業務に注力できる環境をつくります。「人がやるべき仕事」と「システムに任せる仕事」を明確に分けることが、厳しい経営環境を生き抜くための鍵となります。


4.デイサービス経営が厳しい状況をサポートする『DRIVEBOSS(ドライブボス)』

人手不足が深刻化する中、管理者や職員の努力だけで送迎業務の負担を軽減するには限界があります。
そこで提案したいのが、パナソニック カーエレクトロニクスが提供する送迎計画自動作成システム『DRIVEBOSS(ドライブボス)』を活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)です。

介護現場特化型の送迎計画自動作成システム

『DRIVEBOSS(ドライブボス)』は、単なるルート検索ソフトではありません。介護現場特有の複雑な条件を考慮して最適な送迎計画をAIが自動作成するシステムです。

「車椅子対応」「利用者同士の相性」「玄関前の道幅」などの条件を加味し、従来1時間以上かかっていた計画作成を、わずか数分で完了します。作成した計画はスマートフォンに直接送信され、音声案内でドライバーの運転をサポートします。

属人化の解消と時間創出の効果

『DRIVEBOSS(ドライブボス)』の導入は、送迎業務の属人化の解消につながります。道に詳しくない職員でも、ナビの指示通りに運転するだけでベテラン職員と同等の送迎ができるため、採用の選択肢が広がります。

また、管理者が本来の業務へ注力するための時間創出にもつながります。毎日長時間かかっていた送迎計画作成が数分に短縮され、空いた時間を営業やケアマネジメント、加算算定業務に充てられます。

さらに、急ブレーキなどの危険運転を検知する機能により、事故リスクの低減にもつながります。

他事業所との差別化とブランディング

デイサービスは全国に40,000事業所以上が存在し、地域によっては飽和状態にあります。競争が激化する中で生き残るには、他事業所との差別化が不可欠です。
差別化の方向性としては、地域密着型のサービス強化、リハビリや趣味活動の充実、認知症ケアへの特化などが挙げられます。

中でも近年注目されているのが、テクノロジーの活用による差別化です。送迎業務のDXは、単なるコスト削減にとどまらず、「先進的な取り組みをしている事業所」というブランディングにもつながります。利用者や家族に対して、安全管理や業務効率化への姿勢を示すことで、信頼感の醸成にも寄与します。

事業所の「強み」を明確にし、それを対外的に発信することで、他事業所との差別化につながります。

5.『DRIVEBOSS(ドライブボス)』導入で成果を上げた3つの事例

実際に『DRIVEBOSS(ドライブボス)』を導入し、成果を上げた事業所の事例を紹介します。

事例1:株式会社桜十字様 - スマホ連携で送迎の不安を解消

・導入前の課題:
送迎計画作成の負担や属人化に加え、複数の車で同じ利用者をお迎えに行ってしまったり、逆にお迎えを忘れてしまったりといったミスが課題となっていました。

・導入後の効果:
特に大きな効果を発揮したのがスマートフォン連携機能です。スマホが送迎順に利用者宅までのルートを案内してくれるため、土地勘のない職員でも住所を都度入力する手間なくスムーズに送迎できるようになりました。

この変化は、送迎に苦手意識を持っていた人材が「これなら自分にもできるかもしれない」と感じ、新たに入社してくれるという、人材確保の面でも非常に大きな効果をもたらしています。

詳しくは以下のページをご覧ください。
株式会社桜十字 様 │ 送迎計画作成時間を半分に短縮!送迎システムのドライブボス

事例2:ケアパートナー株式会社様 - 業務の標準化と即戦力化

・導入前の課題:
送迎計画作成が「職人技」のような業務で、各事業所でセンター長の補佐などキーマン的な職員が担当し、計画作成と実績入力に毎日2時間程度を要していました。新しい利用者の送迎や土地勘のない職員の送迎時には、事前に現地まで車を走らせて練習が必要でした。

・導入後の効果:
相模大野センターでは送迎計画の作成時間を半分に短縮し、計画作成できる人数も4人にまで増加しました。
初めて訪問する利用者宅でもスマートフォン連携のルート案内機能で問題なく送迎できるようになり、業務プロセスが統一され、応援や異動があっても即戦力として業務にあたれるようになりました。

詳しくは以下のページをご覧ください。
ケアパートナー株式会社 様 │ 業務の標準化で異動者の即戦力化を実現!送迎システムのドライブボス


事例3:介護老人保健施設シルバーケア野崎様 - 送迎業務の効率化で残業時間を大幅に削減

・導入前の課題:
送迎計画の作成に多くの時間を要するだけでなく、「お迎え・お送り忘れ」や「利用時間の間違い」といった、利用者に直接迷惑がかかる送迎ミスが頻発していました。
特に、全利用者の情報を把握しきれていない新人職員にとっては、ミスなく計画を作成することが大きな負担となっていました。

・導入後の効果:
利用者と車両の情報を事前に登録することで、システムが正確な送迎計画を自動で作成するようになり、計画作成段階での人為的なミスがゼロになりました。

これにより、経験の浅い職員でも短時間で正確な計画を作成できるようになり、送迎トラブルを未然に防ぐ体制が構築されました。結果として、職員の残業時間は1日1時間以上削減され、創出された時間を休憩や利用者と向き合う時間に充てられるようになり、サービスの質の向上にもつながっています。

詳しくは以下のページをご覧ください。
介護老人保健施設シルバーケア野崎 様 │ ミスがなくなり残業の削減に成功!送迎システムのドライブボス


6.まとめ:約半数が赤字の厳しいデイサービスの経営で勝ち残るために

デイサービスの経営が厳しいという現状を変えるには、これまでのやり方を根本から見直す決断が必要です。
その中で『DRIVEBOSS(ドライブボス)』の導入のような、コスト削減と売上向上を同時に実現する送迎業務のDXは、投資対効果が高い施策といえます。

65歳以上の高齢者人口は2040年に総人口の約35%に達し、2040年度には約57万人の介護職員が不足するという厚生労働省の試算もあります。需要が伸び続ける介護市場で、適切な経営ができれば黒字化は十分に可能です。
この機会にぜひ『DRIVEBOSS(ドライブボス)』の詳細をご確認いただき、デイサービスの送迎業務への導入をご検討いただくことをお勧めします。
気になることがございましたら、お気軽にお問い合わせください。専門スタッフがご対応いたします。

 
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