
デイサービス経営が厳しいのはなぜ?約半数が赤字の時代を生き抜く経営戦略
デイサービス送迎マニュアル完全ガイド|作成手順から事故対応・DX活用まで
※本記事は2026年1月16日時点の情報を元にして作成されています。
デイサービス運営において、管理者が最も気を配るべき業務の一つが「送迎」です。万が一交通事故が起きた場合、利用者の生命を脅かすだけでなく、事業所の社会的信用をも失墜させてしまいます。また、日々の送迎計画作成は現場職員の長時間労働につながり、離職率悪化の原因の一つにもなっています。
本記事では、「安全性」と「効率性」の両面を踏まえ、実地指導にも対応できる「デイサービス送迎マニュアル」の作成手順を解説します。
目次
送迎業務は介護報酬と密接に関わり、事故防止の観点からも適切な管理が欠かせません。マニュアルを整備しておくことで、業務の標準化が図れるとともに、いざというときに事業所を守る備えにもなります。
ここではなぜ送迎マニュアルの整備が必要なのか、その背景を解説します。
デイサービスの送迎は「送迎減算」の要件に関わるため、運営指導(旧実地指導)で重点的にチェックされる項目です。
事実、送迎記録は厚生労働省が定める標準確認文書に含まれており、記録の不備や送迎減算の適用漏れがあった場合、介護報酬の返還を求められる可能性があります。
参考:確認項目及び確認文書|厚生労働省
そのため、マニュアルには車両運行管理表(運行日報)の記載ルールや記録の保存期間を明記し、誰が担当しても漏れなく記録できる体制を構築する必要があります。
また、利用者の居宅内介助を行う場合の算定ルールについても、職員間で認識を統一しておくことが不可欠です。
事業者は利用者に対し、安全にサービスを提供する「安全配慮義務」を負っています。
送迎中に事故が発生した場合、適切なマニュアルがなく、職員への安全教育も行われていなければ、事業者の「使用者責任」や「運行供用者責任」が厳しく問われます。
仮に裁判で事業所の過失を問われた際、
「日常点検の手順が決まっていたか」
「緊急時の対応フローが周知されていたか」
といったマニュアルの有無と運用実態が、事業所を守る重要な証拠となります。
作成したとしても、形骸化してしまうマニュアルでは意味がありません。
現場の職員が迷わず行動でき、かつ法的な要件を満たす実用的なマニュアルを作成するための具体的な手順と、盛り込むべき必須項目について解説します。
安全な送迎は出発前の準備で決まります。道路運送車両法第47条の2に基づく日常点検項目(タイヤの空気圧、ブレーキの効き具合、灯火類の確認など)をリスト化し、チェックシートを用いて毎朝実施するフローを確立するとよいでしょう。
参考:点検整備の種類 | 自動車 - 国土交通省
また、白ナンバー事業者にも義務化されたアルコール検知器による確認は、マニュアル内でも最重要項目として位置づける必要があります。測定結果の記録方法、数値が出た場合の運転禁止規定、代行運転者の確保手順まで詳細に定めておくことで、現場の混乱を防ぎます。
参考:安全運転管理者の業務の拡充等|警察庁Webサイト
事故や急変は予期せぬタイミングで起こります。職員が冷静に行動できるよう、フローチャート形式の対応手順を車内に常備することを推奨します。
負傷者の救護と119番通報、二次災害防止(発煙筒の設置など)
軽微な接触でも必ず110番通報を行う(示談厳禁)
事業所管理者、家族、保険会社への連絡順序
事故状況の撮影、相手方の情報収集、ドライブレコーダーの保存
帰所後に作成する事故報告書のテンプレートもマニュアルに添付し、事実関係を正確に記録する教育もセットで行いましょう。
送迎業務のトラブルを未然に防ぐため、禁止事項をマニュアルに明記し、職員全員に周知徹底することが重要です。
前日夜遅くまでの飲酒を控え、毎朝のアルコールチェックを必ず実施する。基準値(0.15mg/L)を超えた場合は運転不可とする
施設や利用者に電話をかける際は、必ず安全な場所に停車してから行う
私的な使用は原則禁止
送迎範囲は「自宅から施設まで」が原則。送迎途中の寄り道は丁寧にお断りする
小さな接触事故や車両の不具合も、重大事故につながる可能性があるため必ず報告する
車椅子対応の福祉車両では、パワーリフトや車椅子のロック、専用シートベルトなど、特殊な操作が必要になります。これらは正しく使用していなければ、安全な輸送はできません。
福祉車両には通常の車両にはない装備が多いため、操作方法を明文化しておくことでミスや事故の防止につながります。以下の項目をマニュアルに盛り込みましょう。
乗降時のブレーキ操作手順、傾斜地での注意点
事故防止のポイント、動作しない場合の確認事項
固定ベルトの正しい装着手順、固定確認のチェックポイント
前席・後部座席・車椅子用シートベルトそれぞれの着用手順
利用者ごとの身体状況に合わせた介助が求められます。以下の項目を参考に、マニュアルを整備しましょう。
利用者の身体状況に合わせて安全に乗車できるよう介助する。必要に応じて踏み台を使用する
足元の安全を確認し、バランスを崩さないよう介助する。必要に応じて踏み台を使用する
リフト使用時は車椅子を確実に固定する。姿勢が不安定な方にはクッション等で補助し、必要に応じて補助員の同乗を検討する
送迎先では、利用者が不在の場合や緊急事態に遭遇する場合があります。職員が現場で迷わず対応できるよう、具体的な手順をマニュアルに定めておくことが重要です。
独居の利用者も多いため、チャイムを押しても応答がない場合の対応フローを事前に決めておく必要があります。
そのまま帰所せず、必ず施設に連絡を入れて指示を仰ぐ
近所の親戚に声をかける、緊急連絡先に電話するなど、利用者ごとに事前に取り決めた対応を行う
鍵の受け渡し方法や室内への立ち入り手順を事前に確認しておく
利用者が倒れているなどの緊急事態では、迅速かつ適切な対応が求められます。
万が一の事態に備え、以下の対応手順をマニュアルに明記しておくことが重要です。
利用者の意識・呼吸を確認し、必要に応じて救急車を要請する
状況を報告し、他の利用者の送迎についても指示を仰ぐ
感染症対策は送迎業務においても欠かせません。車内という密閉空間での感染リスクを低減するため、具体的な対策をマニュアルに盛り込みましょう。
日頃から基本的な感染対策を徹底することで、利用者・職員双方の安全を守ることができます。
利用者に触れる前後、車内の物品に触れる前後に手指消毒を行う
処置用手袋、マスク、ガウン、ゴーグルなどを車内に常備し、必要時にすぐ使用できるようにする
車内に咳エチケットのポスターを掲示し、利用者にも協力を求める
送迎車両は複数の利用者が乗り降りするため、定期的な消毒が欠かせません。
手すり、ドアノブ、シートベルト、シートなど、利用者が触れる箇所を送迎後に消毒する
通常はアルコール消毒液で問題ないが、ノロウイルス等の感染性胃腸炎が疑われる場合は、希釈した次亜塩素酸ナトリウムを使用する
感染症の流行期には、通常の対策に加えて追加の措置を講じることが重要です。
パンデミックや感染リスクが高まる時期には、車内の密着を避けるために乗車人数を調整する
可能な限り窓を開けて換気を行う
完璧なマニュアルを作成しても、どうしても解消できないのが「計画作成」と「運転技能」における属人化の問題です。アナログな運用を続ける限り、特定の職員に負担が集中する構造から脱却することは困難です。
送迎計画の作成は、利用者の住所、利用予定、車椅子の有無、利用者同士の相性、道路状況など、複雑な変数を考慮する必要があります。
多くの事業所では、経験豊富なベテラン職員がホワイトボードやエクセルを使って毎日長時間かけて作成しています。
送迎計画の作成はマニュアル化が難しく、「あの人が休むと送迎が組めない」属人化という問題を抱えています。
また、急なキャンセルや追加利用が発生した際の修正作業も、現場の大きなストレス要因となっています。
「この利用者様の家は道が狭いから軽自動車で」
「この時間帯はあそこの道が混む」
といった情報は、ベテラン職員の頭の中にしか存在しないケースがほとんどです。
新人職員や応援のドライバーが担当する場合、マニュアルに地図があっても詳細な注意点までは伝わりきらず、道に迷って到着が遅れたり、誤ったルートで利用者を不安にさせたりするトラブルが発生します。
これは利用者の満足度低下だけでなく、ご家族からのクレームにも直結してしまう問題となります。
マニュアル運用の限界を突破し、属人化と非効率を解消する手段として、パナソニック カーエレクトロニクスの送迎支援システム『DRIVEBOSS(ドライブボス)』の導入をおすすめします。
人の判断とシステムの計算を組み合わせることで、送迎業務は大きく改善します。
『DRIVEBOSS(ドライブボス)』は、登録された利用者情報と車両条件を基に、AIが最適な送迎ルートを自動で算出します。
これまでベテラン職員が長い時間かけていた作業が数分で完了するため、業務時間が大幅に短縮されます。
また、誰が操作しても同じ品質の計画が作成できるため、特定の職員への依存(属人化)を解消できます。急なキャンセルが発生しても、再計算ボタン一つでルートを修正できる柔軟性も大きな強みです。
作成された計画はスマートフォンに直接送信され、ドライバーは案内通りに運転するだけで、迷うことなく利用者の自宅へ到着できます。
また、急発進や急ブレーキを検知して注意喚起する機能や、ヒヤリハット地点を地図上で共有する機能も備えており、マニュアル以上の安全教育効果が期待できます。
管理者はリアルタイムで車両の位置を把握できるため、ご家族からの問い合わせにも即座に対応可能です。
実際に『DRIVEBOSS(ドライブボス)』を導入し、送迎業務を変革した事業所の事例を紹介します。
・導入前の課題:
送迎計画作成が「職人技」のような業務で、各事業所でセンター長の補佐などキーマン的な職員が担当し、計画作成と実績入力に毎日2時間程度を要していました。新しい利用者の送迎や土地勘のない職員の送迎時には、事前に現地まで車を走らせて練習が必要でした。
・導入後の効果:
相模大野センターでは送迎計画の作成時間を半分に短縮し、計画作成できる人数も4人にまで増加しました。
初めて訪問する利用者宅でもスマートフォン連携のルート案内機能で問題なく送迎できるようになり、業務プロセスが統一され、応援や異動があっても即戦力として業務にあたれるようになりました。
詳しくは以下のページをご覧ください。
ケアパートナー株式会社 様 │ 業務の標準化で異動者の即戦力化を実現!送迎システムのドライブボス
・導入前の課題
同センターでは、計画作成者が2名に限られ属人化していた上、Excelでの作業に30分から1時間を要していました。データの入力ミスや抜け漏れが発生するだけでなく、エラー発生時には担当者が「休日でも対応せざるを得ない」という深刻な業務負担が発生していました。
・導入後の効果
『DRIVEBOSS(ドライブボス)』導入後、計画作成時間は15分から30分ほど短縮され、休日対応も解消しました。さらに、新たに1名が作成者に加わりました。
特筆すべきは、そのシンプルな操作性により「パソコンが苦手な高齢の職員でも対応ができるようになった」点です。担当者からは「以前のやり方には戻ることができない」という声が上がるほど、現場の負担軽減に直結しています。
詳しくは以下のページをご覧ください。
春日丘荘デイサービスセンター 様 │ 送迎業務の効率化で属人化を解消!送迎システムのドライブボス
・導入前の課題
以前から送迎システムを使用していましたが、請求ソフト「ケアカルテ」と連動しておらず、二重入力の手間と転記ミスに悩まされていました。また、「休みの方を迎えに行ってしまう」といったミスも発生していました。
・導入後の効果
『DRIVEBOSS(ドライブボス)』への切り替えにより、ケアカルテとの完全連携を実現。利用者情報の変更が即座に反映されるようになり、転記ミスが根絶されました。事務作業の負担が減り、本来のケア業務に集中できる環境が整っています。
詳しくは以下のページをご覧ください。
社会福祉法人平成会 様 │ 二重管理の手間を削減し、業務効率化! 送迎システムのドライブボス
デイサービスの送迎マニュアルの整備は、利用者の安全と事業所のコンプライアンスを守るための第一歩です。
本記事で解説した「福祉車両の操作手順」「乗降介助の方法」「送迎先での対応」「感染管理」などを網羅して盛り込むことで、現場で実際に機能するマニュアルを作成できます。
しかし、マニュアルを作成するだけでは、現場の長時間労働や属人化といった構造的な課題までは解決できません。適切なマニュアル運用に加え、『DRIVEBOSS(ドライブボス)』のようなDXツールを導入することで、安全性と業務効率を同時に高めることが可能です。
この機会にぜひ『DRIVEBOSS(ドライブボス)』の詳細をご確認いただき、デイサービスの送迎業務への導入をご検討いただくことをお勧めします。
気になることがございましたら、お気軽にお問い合わせください。専門スタッフがご対応いたします。
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