デイサービスの送迎範囲はどこまで?介護事業者が押さえるべき法律知識

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デイサービスの送迎範囲はどこまで?介護事業者が押さえるべき法律知識

デイサービスの送迎範囲はどこまで?介護事業者が押さえるべき法律知識

  • 2024年度改定で居宅内介助30分以内が送迎範囲に正式に含まれるように
  • BCP策定・虐待防止措置が2024年4月より完全義務化となり、未実施は減算対象
  • 増加する管理業務の負担はAIルート最適化や記録のデジタル化により軽減を

※本記事は2025年12月12日時点の情報を元にして作成されています。

通所介護(デイサービス)の運営において、送迎業務はサービスの質を左右する重要な要素です。BCP(業務継続計画)未策定減算の完全適用や障害福祉サービスとの混乗解禁といった新しい運用が現場レベルで定着しつつあり、対応を迫られています。

本記事では、道路運送法や介護保険法に基づく基本ルールに加え、見落としがちな「同一建物減算との優先関係」や「送迎記録の保存期間」、そして業務効率化がもたらす本来のメリットについて解説します。


1.デイサービス送迎業務の法的根拠と運転資格

通所介護事業所が行う送迎は、タクシーやバスのような旅客運送事業とは異なる法的位置づけにあります。まずは基本となる「白ナンバー」での運用ルールを確認しましょう。

道路運送法上の「自家輸送」という解釈

デイサービスの送迎業務は、道路運送法において「自家輸送」として扱われます。利用者の送迎が介護サービスの一環として行われ、運賃(対価)を徴収しない無償運送に該当するためです。

参考:「道路運送法の許可又は登録を要しない運送に関するガイドライン」について|国土交通省

介護報酬に含まれる送迎分は、原則として運送の対価とはみなされません。そのため事業者は緑ナンバー(営業ナンバー)を取得する必要がなく、自家用自動車(白ナンバー)での業務が認められています。

運転業務に必要な免許と第二種免許の要否

自家輸送であるため、運転担当者に第二種運転免許は必須ではありません。使用する車両の定員に応じた第一種運転免許があれば業務に従事できます。

■普通自動車免許:定員10人以下の車両(ハイエース、キャラバン等)
■中型・大型免許:定員11人以上の車両(マイクロバス等)

ただし、事業所が介護タクシー事業の許可を得て有償運送を兼務する場合や、緑ナンバーの車両を使用する場合は、第二種免許が必要となるケースがあるため確認が必要です。


2.送迎範囲・介助ルールと「減算」の仕組み

「どこまで手伝って良いのか」「送迎しないとどうなるのか」など、現場判断に迷いやすい送迎範囲と、収益に直結する減算ルールについて詳しく見ていきます。

「玄関まで」か「室内まで」かの境界線

送迎は「利用者の居宅」から「事業所」までが原則です。ただし、地理的な制約がある場合には例外が認められています。

■原則
利用者の居宅(自宅)まで迎えに行き、玄関先での引き渡しとなる

■例外
道路が狭隘で居宅まで送迎車が入ることができない場合など、地理的要因等から妥当と考えられる場合は、近くの集合場所(バスストップ方式)での乗降も可能。ただし、利用者それぞれに出迎え方法を予め定めるなど適切な対応が必要

参考:介護サービス関係 Q&A集|厚生労働省
参考:平成 27 年度介護報酬改定に関する Q&A(平成 27 年4月1日)|厚生労働省

送迎サービスは、利用者の居宅と事業所の間の移動を行い、利用者が居宅に帰着し安全な状態と認められるまでが範囲です。

利用者の身体状況により室内での介助(着替え、ベッドからの移乗、戸締り等)が必要な場合、これらは次項の「居宅内介助」として、1日30分以内を上限に通所介護のサービス提供時間に含めることができます。

居宅内介助を算定するための資格要件と3年ルール

送迎前後の着替えやベッドへの移乗介助にかかる時間は、1日30分以内を上限として通所介護のサービス提供時間に含めることが可能です。

参考:指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス、居宅療養管理指導及び福祉用具貸与に係る部分)及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について|厚生労働省

ただし、これを行う職員には以下のいずれかの資格要件が求められます。

•介護福祉士
•実務者研修修了者
•介護職員初任者研修修了者(※旧:介護職員基礎研修課程修了者、訪問介護員養成研修1級・2級課程修了者を含む)
•看護師、准看護師
•機能訓練指導員
•その他の介護職員(勤続3年以上)

無資格で経験年数が3年未満のドライバーが居宅内介助を行った場合、その時間はサービス提供時間に含められません。

【重要】「送迎減算」と「同一建物減算」の優先関係

利用者が家族送迎や自力通所を行い、事業所が送迎を提供しなかった場合、片道につき47単位が減算され、いわゆる「送迎減算」にあたります。

参考:指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の一部を改正する告示(令和6年厚生労働省告示第86号)|厚生労働省

ただし、事業所と同一敷地内や隣接する高齢者住宅(サ高住等)に居住する利用者に対しては「同一建物減算」が適用され94単位が減算されることになります。この場合、「送迎減算」は適用されず、二重に減算されることはありません。

参考:指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス、居宅療養管理指導及び福祉用具貸与に係る部分)及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について|厚生労働省

つまり、「同一建物だから送迎もしない」という状況であっても、すでに同一建物減算で評価されているため、さらに47単位を引く必要はありません。

この優先関係を正しく理解しておかないと、過剰に減算して請求してしまう(=売上の損失)可能性があるため注意が必要です。

 

3.BCP・安全管理・法改正など必須対応の最新ルールについて

経過措置が終了し対応が必須となっている規制や、すでに定着しているものも含め、新ルールについて解説していきます。

BCP(業務継続計画)未策定減算と虐待防止措置の完全適用

2024年度改定で設けられた経過措置期間が2025年3月31日で終了し、現在は以下のルールが完全適用されています。

BCP(業務継続計画)未策定による減算

2025年3月31日で経過措置が終了しているため、感染症や災害に対するBCPを策定していない、または研修・訓練(シミュレーション)を実施していない事業所には、基本報酬から1%が減算されます。

参考:令和6年度介護報酬改定における改定事項について|厚生労働省

送迎業務は災害時の避難手段としてもBCPの要となるため、計画への明記と実地訓練が欠かせません。

高齢者虐待防止措置

2021年度改定で導入され、3年間の経過措置を経て2024年4月1日から完全義務化となっています。委員会の定期開催、指針整備、研修実施(年1回以上)、担当者配置の4つの措置のうち、1つでも未実施があれば所定単位数の1%が減算されます(虐待発生の有無は不問)。なお、福祉用具貸与については、サービス提供の態様が他サービスと異なることから、2027年3月31日まで追加の経過措置が設けられています。

参考:令和6年度介護報酬改定の主な事項について|厚生労働省


アルコールチェックと安全装置の現在地

アルコールチェック義務化

白ナンバー事業者へのアルコールチェックは段階的に義務化されています。2022年4月1日から目視等による確認と記録保存が開始され、2023年12月1日から検知器使用が義務化されています。

参考:安全運転管理者の業務の拡充等|警察庁Webサイト

デイサービスを含む白ナンバー車両5台以上(または乗車定員11人以上の車両1台以上)を保有する事業所は、運転前後のアルコールチェックと1年間の記録保存が必須です。

置き去り防止安全装置

2023年4月1日から幼稚園・保育所・認定こども園・特別支援学校等の送迎バスへの安全装置設置が義務化されました。

参考:送迎用バスの安全対策|こども家庭庁

高齢者デイサービスにおいては「法的設置義務」はありませんが、安全配慮義務の観点から、ヒューマンエラーを防ぐための「ダブルチェック体制」の徹底や、自主的な装置導入が進んでいます。

障害福祉サービスとの「混乗」も可能に

2024年度改定により、介護保険サービスだけでなく障害福祉サービス(就労継続支援、放課後等デイサービス等)の利用者との「混乗(同乗)」が可能になりました。

参考:令和6年度介護報酬改定における改定事項について|厚生労働省

混乗を実施する場合は、事業所間で委託契約等を結び、責任の所在を明確にすることが要件となります。多角経営を行っている法人では、高齢者デイサービスの車両で近隣の障害福祉サービスの利用者をピックアップするといった効率的な運用が可能です。これにより、車両稼働率の向上とドライバー不足の解消が期待できます。


4.送迎記録の基本ルール:記載すべき項目と保存期間の「落とし穴」

送迎業務の結果を示す「記録」は、運営指導(旧実地指導)において、介護報酬を正当に請求した証拠となる最重要書類の一つです。
ここでは、記録に関する法的ルールと、多くの事業所が誤解しやすい「保存期間」について解説します。

送迎記録に記載すべき「基本6項目」

送迎記録は、単に「行きました」という事実だけでなく、運営指導でサービス提供の実態を証明するため、以下の項目を記載しておくことが実務上推奨されます。法律でこれらの項目が明示的に定められているわけではありませんが、これらが欠けているとサービス提供の実態が確認できないとして、報酬返還の対象となるリスクがあります。

参考:確認項目及び確認文書|厚生労働省

1.利用者名:誰を送迎したか
2.日付・曜日:いつ実施したか
3.送迎時間:出発時刻と到着時刻(利用者ごとの乗降時刻)
4.送迎場所:自宅(居宅)から事業所への移動であること ※例外的な場所への送迎は事前の合意と記録が必須
5.実施者:運転職員および同乗職員(添乗員)の氏名
6.使用車両:どの車両(ナンバーや号車)を使用したか

「整合性」が命取りになる

監査官が見るのは記録単体ではありません。「勤務体制一覧表(シフト表)」との整合性が厳しくチェックされます。

NG例: 送迎記録には「運転手:Aさん」とあるのに、シフト表ではAさんが「公休」や「会議中」になっている

このような矛盾は「架空の記録(改ざん)」とみなされ、指定取り消しなどの重い処分につながる可能性があります。管理者が急遽運転した場合などは、必ずシフト表も修正しておきましょう。

保存期間は「2年」ではない?自治体ルールの5年縛り

厚生労働省令では、記録の保存期間は「完結の日から 2年間」とされています。

参考:指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について ー 老企第25号 | 通知 | 19|法令・Q&A検索システム 全老健介護保険制度情報サービス

しかし、実際には自治体によって異なる保存期間が定められている場合があるため、注意が必要です。

■自治体条例による延長
地方自治法に基づく債権の消滅時効(5年)に合わせ、独自の条例で「5年間の保存」を義務付けている自治体もあります。

■ 税法上の要件
法人税法では、取引に関する帳簿書類の保存期間は7年間と定められています。送迎記録は車両費(ガソリン代等)の経費性を証明する資料でもあるため、税務調査対策としても7年保存が推奨されます。

実務上は、「最低5年、できれば7年保存」をルール化しておくのが最も安全です。

5.送迎業務の課題を解決する『DRIVEBOSS(ドライブボス)』

BCP対応や高齢者虐待防止研修など、管理業務の負担が増加する中、送迎業務の効率化は急務です。パナソニック カーエレクトロニクスの送迎計画作成システム『DRIVEBOSS(ドライブボス)』は、現場の負担軽減に最適なソリューションです。

意外と知らない「記録様式の自由度」とデジタル化

送迎業務において、車両の運行記録(日報)や送迎表の作成は必須ですが、実は厚生労働省が指定する特定の様式(フォーマット)は存在しません。前述の送迎記録に記載すべき「基本6項目」が網羅されていれば、形式は自由です。

「今まで紙だったから」という理由だけで手書きを続ける必要はありません。『DRIVEBOSS(ドライブボス)』で自動作成されるデジタル記録も、監査時のエビデンスとして有効です。紙での記録が法的に義務付けられているわけではないため、業務効率化のためにデジタル化を検討することができます。

送迎は「移動」ではなく「貴重なコミュニケーションの場」

送迎業務を効率化する本当の目的は、単なる時間短縮ではありません。送迎時の玄関先は、ご家族と顔を合わせられる数少ない機会です。AIによる最適なルート作成や記録管理により事務作業時間を短縮することができ、ドライバーや添乗職員は「道を間違えないか」「記録漏れはないか」といった不安から解放され、安心して送迎に集中できます。

この精神的な余裕が、「今日は少し食欲がなかったようです」「昨夜は眠れましたか?」といった家族とのコミュニケーションに意識を向けるゆとりを生み出します。『DRIVEBOSS(ドライブボス)』は、事務作業を削減することで、家族との信頼関係を深め、利用者の在宅生活を支える重要な「ケアの時間」を創出します。

属人化からの脱却と計画作成の自動化

ベテラン職員の「勘と経験」に頼っていたルート作成をAIが代行することで、地理に不慣れな職員でも、効率的かつ安全なルートを短時間で作成できます。
また、走行記録が自動でデジタル化されるため、手書きの日報作成が不要になります。これにより記録の整合性もシステム上で担保しやすくなります。


6.『DRIVEBOSS(ドライブボス)』の導入事例紹介

実際に『DRIVEBOSS(ドライブボス)』を導入し、業務改善に成功した事業所の事例を紹介します。

事例1:社会福祉法人偕生会 那覇偕生園様 - 計画時間を半減させ、利用者との対話時間を創出

・導入前の課題:
同施設では、かつてホワイトボードに利用者のマグネットを貼り替えながら、毎日1時間をかけて送迎計画を作成していました。この時間を削減し、利用者と接する時間を増やしたいという思いがありました。

・導入後の効果:
導入後、計画作成時間は従来の半分以下、早い時には15分程度で完了するようになりました。これにより生まれた時間を、利用者に声をかけたり、これまで手が回らなかった業務に充てたりすることが可能になりました。
ICT化によって時間を創出し、それを本来のケアに振り向けるという、介護DXが目指す理想的な姿を実現されています。

詳しくは以下のページをご覧ください。
社会福祉法人偕生会 那覇偕生園 様 │ ICT化によって利用者に寄り添う時間が増加!送迎システムのドライブボス

事例2:介護老人保健施設 愛生苑 - 属人化を解消し、誰でも計画作成が可能に

・導入前の課題
送迎計画を作成できる職員は2名に固定化し、ホワイトボードとマグネットを使った手作業で1日平均30分を要していました。紙への転記作業も発生し、マグネットの落下による送迎漏れや、新規利用者受け入れ時の計画変更に時間がかかるなど、課題が山積みとなっていました。

・導入後の効果
システム導入により、計画作成時間が約30分から約15分に短縮。ケアカルテとの連携で利用者の急な休みにも5〜10分で対応可能になりました。また、パソコンやスマホに不慣れな職員も含め、ほぼ全員が計画作成を担当できるようになり、属人化を解消。新規利用者の受け入れもスムーズになり、より速やかな利用開始につながっています。

詳しくは以下のページをご覧ください。
介護老人保健施設 愛生苑 様 │ 送迎業務の時間短縮と属人化の解消 送迎システムのドライブボス

事例3:ケアパートナー株式会社 様 - 業務の標準化と即戦力化

・導入前の課題
送迎計画作成が「職人技」のような業務で、各事業所でセンター長の補佐などキーマン的な職員が担当し、計画作成と実績入力に毎日2時間程度を要していました。新しい利用者の送迎や土地勘のない職員の送迎時には、事前に現地まで車を走らせて練習が必要でした。

・導入後の効果
相模大野センターでは送迎計画の作成時間を半分に短縮し、計画作成できる人数も4人にまで増加しました。初めて訪問する利用者宅でもスマートフォン連携のルート案内機能で問題なく送迎できるようになり、業務プロセスが統一され、応援や異動があっても即戦力として業務にあたれるようになりました。

詳しくは以下のページをご覧ください。
ケアパートナー株式会社 様 │ 業務の標準化で異動者の即戦力化を実現!送迎システムのドライブボス


7.まとめ:法令遵守と効率化を両立させ送迎改革の進行を

デイサービスの送迎業務は「ただ運べば良い」時代から、「効率化してケアの質を高め、かつ記録で守る」時代へと変化しました。BCP対応や人材不足、そして厳格化する監査に対し、アナログな管理を続けることはリスクでしかありません。

『DRIVEBOSS(ドライブボス)』のようなテクノロジーを活用して事務負担を減らし、その分を利用者や家族と向き合う「本来の送迎業務」に充てることこそが、選ばれる事業所になるための鍵となります。

この機会にぜひ『DRIVEBOSS(ドライブボス)』の詳細をご確認いただき、デイサービスの送迎業務への導入をご検討いただくことをお勧めします。
気になることがございましたら、お気軽にお問い合わせください。専門スタッフがご対応いたします。

【ご注意】
本記事は厚生労働省の通知・告示等に基づき作成していますが、自治体の条例や指導方針によって異なる場合があります。実際の運用にあたっては、必ず事業所の所在地を管轄する市区町村または都道府県の介護保険担当課にご確認ください。

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